富山で飲み食い・おぼえ書きブログ

富山で見つけたおいしいお店やこじゃれたお店を書いていく、富山なグルメのブログなんだ。どこへ行ったか忘れてしまわないようにね。 わたしの好みだから、「それはちがう」とか言わないでいただきたい。 ときには、旅した記録も、書き残すことにするよ。

タグ:粟津温泉

 開湯してから1300年余りの時が過ぎた加賀の古湯、粟津温泉旅館「法師」

 その長い歴史の中で、建物は何度も立て替えられ、
 庭も何度も作り替えられたことだろう。


 小堀遠州という人がいる。
 徳川第3代将軍家光の茶道師範を務めていたという。
 遠州流庭園の祖としても名高く、
 桂離宮、南禅寺金地院、秀吉の正室ねねが開いた高台寺など、
 その代表作にはいとまがない。

 遠州が粟津を訪れたときには、「法師」に滞在した。
 現在の日本庭園も、その時に、礎が築かれたと伝わる。
 今から400年近くも昔のお話だ。

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苔むした石畳がつながる庭園

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 「法師」の建物は、庭を取り囲むように建っている。
 フロント横には、庭を見渡せるお茶席が設けられている。

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右に入るとお茶席

 お茶席からは、鯉が泳ぐ心字池が見渡せる。

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お茶席側から見た心字池

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雪囲いが施された心字池 奥からお茶席を見る

 庭の中央には、蓬莱山になぞらえた築山が築かれている。

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築山から見下ろす庭

 この旅館には、皇室の方々や様々な名士も訪れている。
 日露戦争時の内閣総理大臣 桂太郎お手植えの木が残されている。

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すくすくと枝を伸ばす桂太郎の木

 風格ある赤松の巨木

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これだけ大きくなるにも年季が必要

 庭には、貴賓室も設けられている。
 温泉付きの離れ「延命閣」は、明治の造り。
 皇族方もこちらに滞在された。

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総檜の御殿造り 釘を一本も使わずに造られている

 敷地内に設けられた小さなお堂。

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古い庭には神様も宿る

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大きな石灯篭

 このお庭を見るだけでも、法師に滞在した価値があったと思うばかり。
 全くもって、素敵なお庭だった。
 


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 それは、粟津温泉を訪れていた日々のお話。

 粟津温泉街を通る路線バスの終点は「那谷寺」。
 小松駅を起点に粟津駅前を通り抜けて粟津温泉、那谷寺へと至る路線なんだ。

 この日は、そのバスに乗って那谷寺へと出かけてみたよ。

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那谷寺バス停に到着 ここから歩いて5分ほどでお寺に着く

 那谷寺は、養老元(717)年、真言宗のお坊さん泰澄法師によって開かれた寺。
 泰澄法師は、白山を開山した人物であり、粟津温泉を開いた人物としても知られている。
 那谷寺も、粟津温泉と並んで、開帳してから1300年余りというということだ。

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門前から山門を眺める

 中世には、新田義貞の攻撃を受けたり、一向宗(浄土真宗)に改める者が増えたりして衰退した。
 しかし、江戸時代には、加賀藩第3代藩主前田利常の保護を受け、お寺は立て直ったという。

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凛々しき山門

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山門を守る阿吽の像が半立体なのがおもしろかった

 歴史ある寺にふさわしく、境内には凛とした空気が立ち込めていた。

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深淵なる境内

 金堂華王(けおう)殿は、平成2(1990)年の再建。
 南北朝時代に戦火で焼失して以来、650年ぶりに再建された。
 築35年を数えるが、1300年の歴史から見れば、新しいといえるだろう。

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金堂と普門閣

 中には、体長7.8mの大きな十一面千手観音像が安置されている。
 壁面は、郷土作家の作品で飾られ、近代的かつ豪華絢爛な雰囲気を漂わせていた。

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金堂華王殿の由々しき姿

 手水にも趣きがある。

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屋根のない手水がいかにも古めかしき寺らしい

 那谷寺で最も特徴的なのが奇岩遊仙境。
 そそり立つ奇岩にいくつもの窟が開いていて、その一つ一つに仏様が安置してある。

 江戸時代の俳人、松尾芭蕉もこの地を訪れて、「奥の細道」に句を詠んだ。
 曰く、

石山の 石より白し 秋の風

 この風景を見れば、芭蕉の心持ちがよくわかる。

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庭園の歩道から見上げる奇岩遊仙境

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正面の展望台から見下ろす奇岩遊仙境

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窟に安置された仏様

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松尾芭蕉の句碑
芭蕉が訪問してから150年を記念して設けられたというが、それも江戸時代のお話

 加賀藩第3代藩主、前田利常によって建てられた本殿(大悲閣)
 慶長2(1642)年の建築であり、現在は、国の重要文化財に指定されている。

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枯れた雰囲気に趣きがある

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本殿につながる門

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本殿は少し高台に設けられている

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拝殿は窟の奥に造られているので屋根がない

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奥に抜ける道も岩をくり抜いて造られていた

 三重塔、護摩堂、鐘楼と、いずれも、前田利常によって建てられた。
 どれも高台に建てられている。

 もともと少し平らだったところを選んだのだろうが、
 大きさを考えると、人の手によって平地を広げた思われる。
 人の力の底知れなさを感じるお話だ。

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三重塔も国指定重要文化財

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護摩堂を見上げる

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この護摩堂も国指定重要文化財

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鐘楼だって国指定重要文化財

 じっくり1時間ほどの歴史の旅だった。


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 粟津温泉旅館「法師」は、開湯してから1300年余り。
 粟津の、加賀の、或いは日本の歴史を見つめてきたと言っても過言ではないお宿だ。

 今回、滞在したのは2週間余り。
 その間に、館内をさまざまに巡ってみたんだ。

 まずは、何といっても玄関。
 国の重要文化財に指定されている、重厚な構えは実に素晴らしい。

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旅館法師の風格ある表構え

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 中に入れば、そこもまた重厚。
 花模様のじゅうたんはふかふかしていて、歩くと足の裏が心地よいんだ。
 フロント前も、何ともレトロな雰囲気だね。

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中央の柱が見事

 フロントの奥には、中庭を見渡せる、お茶席のスペース。

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右に入るとお茶席 左には立派な壺が飾られていた

 ロビー脇の休憩スペースには、ショーケースに様々な品々が飾ってあるんだ。
 お宿の長い歴史の中で積み重なってきた、調度品の数々。
 それらを並べるだけで、さながら博物館のようになってしまうね。

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椅子もゆったりしていて 座ればVIP気分

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法師を支えてきた銘品の数々
奥の三品は前田のお殿様が使われたと伝わる焼き物

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九谷焼の名品も

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江戸時代に建物の屋根にあった魔除けの鬼瓦

 奥の通路には、色紙がぎっしり並んだ棚があったんだ。
 この色紙が、名のあるお坊様と思われる方々の物ばかり。
 芸能人やスポーツ選手の物などは1枚もないのが、いかにもこのお宿らしいね。

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おそらく延暦寺のお坊様のもの

 お宿は、中庭をぐるりと囲むように建っていたんだ。
 各所に、庭を眺められるスペースが造られているのが素敵だね。

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このお庭は江戸時代に造られたらしい

 広々とした大浴場もまた素敵だったね。
 巨大な浴場に毎日使って、身も心も癒されるばかり。
 露天風呂もかなり広々していたんだ。

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奥は熱い湯 手前はちょうどよい加減 
露天風呂も大気に冷やされてちょうどよい加減

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洗い場もたくさんあって余裕だね

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脱衣所も広々していたんだ

 お料理は、お部屋でいただいたり、広間でいただいたりと、その辺りはプランに寄りけり。
 広間には、今は仕切りが設けてあって、個室風にいただくことができるのが現代感覚かもね。

 一品一品、調理長が材料を吟味してていねいに作られたものばかりだったんだ。
 何とも、素晴らしき旅館だったよ。

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大勢で訪れれば広間でいただくことになるね

 旅館法師は、そのお庭がまた素敵だったのだけれど、それはまたいつか。
 


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 昨年から、わたしは、全国各地を旅しながら、当地のお宿でお手伝いする暮らしをしている。
 実は、この年末年始も、富山にはいなかったんだ。

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雪に包まれた古湯の宿

 年末から訪れていたのは、石川県にある粟津温泉
 近くに那谷寺という古刹を抱える、歴史ある温泉なんだ。
 この粟津温泉、開湯してからなんと1300年余りというから、驚くではないか。

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歴史の重みを感じるロビー


 今回訪れたのは、粟津温泉が開湯したときからずっと営業している旅館「法師」
 養老2(718)年創業というから、この旅館も1300年以上の年月、彼の地で営業しているということだ。

 那谷寺も旅館「法師」も、開いたのは泰澄太師といわれる。
 奈良仏教のお坊様だ。

 子供の頃から、名前だけはよく耳にした高級旅館。
 料理も使われている器も素晴らしく、とても素敵な旅館だった。

 こういう旅館には、働くだけではなくて、ぜひ泊まりに行ってみたいものだ。



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