それは、働きながら阿蘇に滞在していた日々のお話。

この日は、「南阿蘇鉄道」の一日乗車券を使って、
南阿蘇村、高森町の界隈を散策してみた。


阿蘇という場所は、いたるところに湧水がある。
阿蘇神社とその周りでもそうであったし、
この南阿蘇でも、各地に湧水が見られる。

中でもこんこんと湧き続ける大きな泉が、
南阿蘇では「水源」と呼ばれていて、
南阿蘇を訪れるスポットとなっている。


この日は、最初に目指したのは「白川水源」

「高森駅」まで行って一日乗車券を手に入れたあと、
「白川水源駅」へと折り返して、徒歩で5分程度。

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横に神社があって、神に守られている「白川水源」
道路に面して、最初の鳥居が建っている。

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川に沿った参道を進む。

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受付で100円の協力金を支払う。
管理組合が環境整備に使う資金になっている。

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まん中の青みがかった部分から、
水がどんどん湧いているのが見える。

その水量は、とても豊富。
毎分60トンという、南阿蘇最大の水源である。

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いつまででも眺めていられる パワースポットだった

この場所は、森に包まれていることもあって
なかなかに冷厳な感じ。
とても神聖な場所に感じられる。

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水源の横に位置するのは「白川吉見神社」
創建年は不詳らしいが、
平安時代にはすでに水神として祀られていた
古社である。

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現在の社殿は明治42年(1909)12月の造営




「白川水源」から再び「白川水源駅」方面へと
足を戻すことにした。
そのまま次の駅「阿蘇白川」を通り過ぎて、
その先まで歩いてみた。

目指すは「明神池明水公園」
毎分2トンという水量を誇る水源だ。


途中で見つけた石碑には
「旧蹟 南郷往還の跡」の文字。
熊本から、この辺りの「白水」と呼ばれるエリアを抜けて
竹田、日向にいたる街道を南郷往還と呼んだらしい。

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石碑が置かれた「西安寺」は、
南郷往還の目印となる寺だったのだろうか。

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阿蘇西国三十三ヶ所観音札所の 24番札所

「明神池名水公園」では、湧水が透明な池をつくる。

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ここの湧水は『誕生水』と呼ばれ、
飲むと安産や子宝に恵まれるといわれる。
癒やしのパワースポットといった場所である。

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湧き水でできた池は、とても美しい。

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白川水源とは また違った美しさ

池の中ほどからも、水が湧いているようだ。
ゆったりと鯉が泳いでいて、住み心地もよさげだった。

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この地には、数々のロマンと伝説があるようだ。
「明神池河童伝説」もその一つ。

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いたずら好きが高じて追放された男河童を
石の上で待ち続けた女河童の、
悲しい伝説がある。

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遠くを見ながら待ち続ける、
物悲し気な女河童の像が、
池の中の石の上に置かれていた。

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恋しき男河童を思う姿が切ない

咲き始めた公園の桜。
(3月半ばのお話なのだ)
花見の名所でもあるのだろう。

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「阿蘇白川駅」へと戻り、三たび「南阿蘇鉄道」に乗って
「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅」へ。

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ここからは、
「川地後水源」
「寺坂水源」
「湧沢津水源」
と順にたどってみた。


まずは、「川地後水源」
周りを石垣で固め、
底に降りることができる。

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昔は、このほとりで、
野菜を洗ったり洗濯したり、
といったことが行われたらしい。

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生活に根差した水源地だった。

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この界隈では、
「甲斐有雄の道しるべ」というのを見かけた。

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今から100年ほど前
(その「今」はいつだろ?)
人々が道に迷わないように、
私財をなげうって、
1800基の道しるべを設けたという。

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今はいくつ残っているのか?

道しるべのすぐ近くにあったのが「寺坂水源」

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「正教寺」という古刹のすぐ脇にある。
寺を訪れる人々の手洗い所として、
親しまれていたらしい。

「南阿蘇鉄道」の鉄橋の反射がまぶしい。

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水源の中に塩ビのパイプが沈んでいる。
近隣の家が、水をポンプなどで吸い上げて、
洗濯水や農機具の洗浄水として使っているのだろう。

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さらに歩いて、「湧沢津水源」へ。
南阿蘇の外輪山の眺めは雄大。

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「湧沢津水源」は、
周りが公園のように整備されていた。
道路の対岸には、
子供が入って遊べるスペースもある。

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今でも、近隣の民家に給水されている。
飲料水から生活用水まで、
日常生活で使われているようだ。

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ここでも、塩ビ管が沈められていた。
ここから吸い上げて、生活に使っているのだろう。

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南阿蘇には、11の水源があるようだ。
「白川水源」は単独で、
他の水源は、「南阿蘇水源群」として、
環境省が選定する「日本名水百選」に指定されている。


南阿蘇では、昔から
水に困る、ということがなかったらしい。

水道水には、水源から水が供給されている。
配管の中を、水源の水が流れているのだ。
しかも、浄水場などで消毒するのではなく、
採取したそのままの水が流れているのだとか。

そんな水道は、日本に2か所しかないのだという。
(もう1か所あることも驚きだが)


美しい水に恵まれた、
素敵な場所なのだと知った1日だった。