信州長野といえば、おのずと知れたそばの名産地。
 戸隠、安曇野、高遠と、枚挙にいとまがない。

 この1月に滞在していた北志賀地方にも、
 「須賀川そば」という郷土料理がある。


 信州中野から北志賀を経て飯山に向かう国道403号線は、
 別名「そば街道」というらしい。
 「須賀川そば」の名店が点在しているからのようだ。

 この日は、そんな名店の一軒。
 「岩本そば屋」に行ってみた。

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新雪に包まれた山あいのそば屋

 「岩本そば屋」は、国道から離れ、
 竜王スキーパークへと向かう道沿いにある。
 古民家をそのまま店舗にしている。
 ぜったいうまいに決まってる店構えである。

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つららの下がるおもむきある店構え

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 注文するのは、もちろん『すがかわそば(ざる)』
 『須賀川』は『すがかわ』と読む。
 そばそのものの味わいを楽しむなら、ざるに限る。

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ロープウエイ駅が見えている一番奥の山の頂上が
スキー場の最上部

 「須賀川」は、長野県山ノ内町の一地域の地名。
 この辺りのそばは、オヤマボクチという植物をつなぎにしてきた。
 通称は「ヤマゴボウ」だが、つなぎになるのは葉の部分だとか。

 その「須賀川そば」は実に個性的。
 オヤマボクチを使うと、こしの強いそばができあがる。
 かなりのかみ応え。
 それでいて、喉ごしもよい。
 よくかんでから飲み込むそばというのも珍しい。

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かめばかむほど感じる豊かなそばの香り

 つけあわせのたくあんがうれしい。

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けっこうたくさんあったのもうれしいたくあん
そばにはよくあう

 昔、食糧事情がよくなかったころには、
 よくかんで食べることで、腹持ちをよくしたとか。
 うまいそばだが、そういう悲しい歴史も秘めている。

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今となってはかの地を代表する名産に

 メニューを見て気になったのが『はやそば』
 これまた代表的な郷土料理のようである。
 食べておかねばなるまい。

 出てきたのはそばがき。
 この辺りでは、大根おろしを入れ込んでゆでる。
 長野県食の無形文化財にも指定されている。

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木のさじですくっていただく

 これがまた、見事な絶品。
 そば粉の香り豊かで、ほどよく柔らかい。
 出汁にも素晴らしくマッチしている。
 これを味わうためにこの店に訪れてもよい、と思うほど。

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海苔の香りがさらに食欲をそそる

 玄関を入れば、普通に民家の造り。

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ただいま と言いたくなる

 お座敷、居間、縁側をぶち抜いた客席。
 これまで、郷ひろみ、南原清隆などなど、
 名だたる有名人が多数訪れている。

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飾り気のない感じがよい
でも 隣りの席に郷ひろみさんが座っていたらドキドキするだろう

 メニューはシンプル。
 ホントは『はやそば』と日本酒できめたかったところ。
 志賀高原ビールもマッチすると思う。

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このそばを打つのは20代半ばの若き店主

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車移動なので日本酒は涙を呑んで断念

 北志賀に来たならば「須賀川そば」は必食である。

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天気は良いが気温は氷点下

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雪と青空のコントラストが美しい