それは、加賀の古刹、那谷寺を訪れた日のお話。

 那谷寺の門前には、お休み処がいくつか並んでいたんだけどね。
 この日は、1軒だけしか営業してなかったんだ。

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のぼりについつい誘われてしまうお休み処

 ちょうどお昼ご飯の時間帯だったから、この食堂に立ち寄ることにしたんだ。
 お店の名前は「もみぢ」
 「じ」ではなく「ぢ」なところが歴史的な場所にある食堂にふさわしいね。
 いただいたのは『肉うどん』

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牛肉をのせた肉うどんの雄姿

 粟津温泉や那谷寺のある界隈を含む小松市では、
 『小松うどん』というのを名物にした登録指定店制度があるらしいんだ。

 このお店の前にも、「小松うどんの店」というのぼりが立っていたから、
 注文するのがうどん一択なのも、当然だろうね。

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味のしみ具合が絶妙

 松尾芭蕉が、この土地で、うどんに舌鼓を打ったことがきっかけに、
 うどんをウリにしているようだね。

 奥の細道の道中、この地を訪れた芭蕉に、地元の俳人が乾うどんを届け、
 それに芭蕉が「殊に珍敷(めずらしき)乾うどん」をありがとうと書いた
 返書が残されているだとか。

 うどん自体は、いたって普通のコシの普通のうどんだった。
 でも、出汁が絶品だったし、牛肉にも味が染み染み。
 わたしのイメージ通りの『肉うどん』だったんだ。