それは、粟津温泉を訪れていた日々のお話。

 粟津温泉街を通る路線バスの終点は「那谷寺」。
 小松駅を起点に粟津駅前を通り抜けて粟津温泉、那谷寺へと至る路線なんだ。

 この日は、そのバスに乗って那谷寺へと出かけてみたよ。

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那谷寺バス停に到着 ここから歩いて5分ほどでお寺に着く

 那谷寺は、養老元(717)年、真言宗のお坊さん泰澄法師によって開かれた寺。
 泰澄法師は、白山を開山した人物であり、粟津温泉を開いた人物としても知られている。
 那谷寺も、粟津温泉と並んで、開帳してから1300年余りというということだ。

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門前から山門を眺める

 中世には、新田義貞の攻撃を受けたり、一向宗(浄土真宗)に改める者が増えたりして衰退した。
 しかし、江戸時代には、加賀藩第3代藩主前田利常の保護を受け、お寺は立て直ったという。

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凛々しき山門

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山門を守る阿吽の像が半立体なのがおもしろかった

 歴史ある寺にふさわしく、境内には凛とした空気が立ち込めていた。

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深淵なる境内

 金堂華王(けおう)殿は、平成2(1990)年の再建。
 南北朝時代に戦火で焼失して以来、650年ぶりに再建された。
 築35年を数えるが、1300年の歴史から見れば、新しいといえるだろう。

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金堂と普門閣

 中には、体長7.8mの大きな十一面千手観音像が安置されている。
 壁面は、郷土作家の作品で飾られ、近代的かつ豪華絢爛な雰囲気を漂わせていた。

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金堂華王殿の由々しき姿

 手水にも趣きがある。

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屋根のない手水がいかにも古めかしき寺らしい

 那谷寺で最も特徴的なのが奇岩遊仙境。
 そそり立つ奇岩にいくつもの窟が開いていて、その一つ一つに仏様が安置してある。

 江戸時代の俳人、松尾芭蕉もこの地を訪れて、「奥の細道」に句を詠んだ。
 曰く、

石山の 石より白し 秋の風

 この風景を見れば、芭蕉の心持ちがよくわかる。

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庭園の歩道から見上げる奇岩遊仙境

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正面の展望台から見下ろす奇岩遊仙境

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窟に安置された仏様

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松尾芭蕉の句碑
芭蕉が訪問してから150年を記念して設けられたというが、それも江戸時代のお話

 加賀藩第3代藩主、前田利常によって建てられた本殿(大悲閣)
 慶長2(1642)年の建築であり、現在は、国の重要文化財に指定されている。

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枯れた雰囲気に趣きがある

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本殿につながる門

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本殿は少し高台に設けられている

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拝殿は窟の奥に造られているので屋根がない

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奥に抜ける道も岩をくり抜いて造られていた

 三重塔、護摩堂、鐘楼と、いずれも、前田利常によって建てられた。
 どれも高台に建てられている。

 もともと少し平らだったところを選んだのだろうが、
 大きさを考えると、人の手によって平地を広げた思われる。
 人の力の底知れなさを感じるお話だ。

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三重塔も国指定重要文化財

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護摩堂を見上げる

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この護摩堂も国指定重要文化財

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鐘楼だって国指定重要文化財

 じっくり1時間ほどの歴史の旅だった。