街には花の便りが届くころ。今日は4月1日。

 新しい年度が始まって、新人を迎えにぎやかになった職場もたくさんあることだろうね。人が入れ替わり、社会の気風も入れ替わって、世の中は常に新しい時代を迎えているんだ。

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 それは、今から30年ほども前のお話。インターネットが世の中に広がる以前のボクたちは、情報を得ることに、とても苦労していた。

 旅行に出かけたいと思えば、テレビやラジオで仕入れた情報をもとにガイドブックを買い、旅行代理店で交通機関と宿を予約した。紙の切符と宿泊先を記したクーポンをもち、旅行鞄を手に旅に出た。ほとんど知らない訪問地に、ワクワクしながら車窓の眺めを楽しんだ。

 新幹線は、まだ東海道、山陽、上越、東北の4路線だけ。高速道路だって、幹線をのぞけばまだつぎはぎだった時代。旅をするのは時間のかかるとても贅沢な行為だった。


 家で映画を見たいと思えば、レンタルビデオ店に行き、1本500円ほどで借りてくる。それができるようになったことに、なんて便利な時代になったのかと思っていた。もっとも、思ったほど面白くなくて「はずれた〜」と悔やんだことも数知れないけど。


 世の中には、たくさんの企業があり、さまざまに業務を営んでいた。でも、それらの企業の細部を知ることはほとんどなかった。

 例えば、ヘアドライヤーや掃除機のモーターをどんな会社がつくっているのか知りたければ、書店や図書館に出かけたり、四季報なんかを目を皿のようにして読んだりして、何とか探し当てた。

 巷で行われるインフラ整備にだって、たくさんの企業がかかわっている。上下水道の管を作る会社、電信柱を作る会社、鉄道のレールを作る会社などなど、それぞれにそれぞれの企業があり、高い技術と効率化を求めて切磋琢磨していた。でも、業界にいない自分たちに、それを知るすべはほとんどなかった。


 インターネットが世間一般に認知されるようになったのは、マイクロソフトが「Windows95」というOSを世に売り出してから。このOSが、世の中のコンピュータを標準化し、同時に、その頃活用が始まったインターネットをつなぐ窓口になった。

 あれから30年。

 今や、わからない言葉があれば、google先生が、AI機能を駆使して簡単な言葉で教えてくれる。旅行先の情報を、細部にわたって知ることができ、訪れた人のつぶやきだって数限りなく見ることができる。そして、世界中のこんな場所にまで行く日本人が、こんなにもたくさんいるのかと驚く。






 ネットには動画サイトがあふれ、封切りになって間もない映画だって、最新の音楽だって、サブスクリプションで見放題聞き放題だし、なんなら、古い映画や青春の頃ヘビロテした音楽だって、同じ枠の中で、見放題聞き放題できる。

 これなら、もったいないって思わないよね。自分に合わなきゃ、別のに入れ替えるだけだから。自分が知らなかったジャンルの素敵な作品に出会える可能性が広がったのも、サブスクリプションのおかげ。でなきゃ、韓国ドラマを見呆けるだなんてこと、一生できなかったと思うからね。


 巷のモーターがどんどん小型化してることを教えてくれたのは、川口春奈さんのテレビCMだったけど、「ニデックってなんなのさ」って調べるには、WEBサイトを訪れるのが第一歩でしょ。そして、「HDD用スピンドルモータでは世界シェアの約80%を占めています。」なんてことを、google先生が教えてくれるし。



 電信柱のシェア1位は「日本コンクリート工業」っていう企業だし、「日本製鉄」は「新日鉄」と名乗っていた時代、日本の鉄道レールの約75%を占めていたというからね。こんな情報が、簡単に手に入るようになったのが、インターネットのありがたみ。


 AIの発するその情報が本当に正しいのか、とか、WEBで探り当てた情報をどこまで信じるのか、とか、情報を使い捨てにしているのではないか、とかいった問題は残るにせよ、昔に比べれば、圧倒的な情報量の恩恵を被っていることは確かだよね。

 30年前に、いつかそんな時代が来る、と予見されてたその時代のさなかに、そろそろボクらはさしかかっている、っていうわけ。

 そんな情報の渦に巻き込まれないように、その波に適度に乗りながら、安全に生きていくことができればいいなと思ったりした、令和7年度の始まりなのだった。


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