それは、大分・宮崎を旅した日のお話。

 テレビ番組で「別府の風景」としてよく見られるのが、写真のように湯けむりを立てている街並みの様子。別府には、温泉が数百あるといわれているけど、中でも古くからある8つの温泉地は別府八湯と呼ばれているんだって。

 写真の温泉は、その八湯のひとつの「鉄輪温泉」。鉄の輪と書いて「かんなわ」と読ませるこの温泉は、それだけでいかにも古湯って感じだよね。

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 鉄輪温泉は、鎌倉時代に一遍上人が開いたといわれる、文字通りの古湯。レトロで情緒あふれる街並みが素敵な温泉なんだ。せっかく別府に来たならば、そんな古湯に泊まってみたいと思ったんだよね。

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 鉄輪温泉は坂の街。温泉の中心には、亀の井バスの鉄輪バス停があって、そこから、上下左右に温泉街が連なっているよ。

 「いでゆ坂」は、そのメインストリート。この界隈には、共同浴場がいくつもあるから、入ってみたいと思ったんだよね。この日の宿に荷物を下ろして、街に出かけてみたんだ。

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 こちらは「上人湯」。上人というのは一遍上人のことだよね。10:00から17:00までは、一般の人も入ることができるよ(100円)。

 上人像の自分の体の悪い部分と同じ部位に温泉の湯をかけると、悪い箇所がよくなる、って聞いたから、入ってみたいと思ったんだけど、賽銭箱に100円を入れたところで、時刻の表示に気づいたんだ。時計を見ると17:30。おお、時間が過ぎているではないか。


 やむなく去ろうとしたら、ちょうど出てきた地元のお姉さまが、「お金入れちゃったんだねぇ。まぁ、ちょっとついておいでまし。お金返してもらえっから。」と、管理している向かいの喫茶店に案内してくれたんだ。

 喫茶店のベテランマダムも、「時間過ぎたら、組合員しか入れんことになっとってねぇ。すまないねぇ」と謝りながらお金を返してくれたんだ。何とも親切で、すっかりうれしくなってしまったよ。

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 こちらは「渋の湯」。営業時間を確かめれば、6:30から20:30だったよ。こちらはまだ入れる時間。

 入湯料100円を探していると、後ろから声をかけてくださったのが、これまた地元のお姉さま。「お風呂入るの?だったら、この少し先にある『熱の湯』は、ただで入れるからいいよ。ここもいいけど、100円いるからねぇ。」と教えてくれたんだ。

 「『熱の湯』の方が、昔からある建物でやってるよ。」と聞いたら、これは行くしかないではない。

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 そしてこちらが「熱の湯」。市営の共同浴場だよ。熱の湯という名前は、身熱を除去する効果があることから名づけられたと、伝えられているんだって。建物は、1977(昭和52)年の建築というから、かれこれ50年。

 扉を入ると、正面に狭い脱衣所。左には仕切りのないまま、半円形のけっこう大きめな浴槽があるだけの、またしても、湯の出る蛇口なんかはないお風呂だったよ。浴槽のお湯を汲んで体を洗う仕組みは、「竹瓦温泉』と同じ。昭和時代の別府の浴場は、みんなこのスタイルなのかな。

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 鉄輪温泉は、道沿いの溝を流れるのも温泉みたいで、あちらこちらで湯気を噴き上げていたよ。それがまた、温泉情緒をそそるのだ。

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 ボクが泊まった旅館がこちら。昭和30年代に建てられた、なかなか風格のある旅館だったよ。いかにも鉄輪温泉の旅館といった感じ。

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 街を歩けば、いたるところに、噴煙を上げる煙突が建ってるんだ。まるで、地下水の代わりに温泉をくみ上げているよう。

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 旅館だけでなく、普通の民家と思われる建物にも噴煙の煙突があったよ。

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 そして、その煙突が重なるように建っているから、街中が、噴煙であふれかえってるんだ。

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 永福寺は、一遍上人が命名した松寿寺の跡地に明治時代に再興された寺。今でも、一遍上人にまつわる法要が行われているんだって。

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 亀の井バスの鉄輪待合所には、バスの駐車スペースがけっこうあるんだ。ここと別府駅を結ぶ路線がいくつもあって、なかなかにぎわいのあるバスステーションになっていたよ。

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 こちらは、別府駅方面に向かうバス待合所。駐車スペースの向かいにあるんだ。

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 駐車スペースの並びにあるのが、高速バスやさらに奥の明礬温泉に向かう路線の待合所。観光案内所が併設されているから、近くにある「別府地獄めぐり」の拠点になる待合所だよ。

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