それは、九州を旅した日のお話。指宿温泉で一夜を過ごした宿「吟松」は、そこで味わった食事もまた素晴らしかったのだ。

 まずは、夕食。前菜の3つの器には、鹿児島の食材を使った品々が勢ぞろいしていたんだ。右端の小鉢には、胡麻豆腐ならぬ『玉蜀黍豆腐』。トウモロコシの甘い香りが優しい、素敵な一品だったよ。真ん中の小鉢には『黒豚ラー油味噌』といかにも鹿児島らしい一品。

 もう一鉢には、『キビナゴオイル漬け』『銀ヒラス磯辺焼き』といった、これまた鹿児島ならではのラインナップだったんだ。前菜だけでも、鹿児島を十分堪能した気分になれたよ。

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88_31←ここへ行けば富山にくわしくなれるよね

 こんな素敵な料理は、生ビールと一緒にいただくに限るではないか。

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 そして、この夜の目玉となるのが『さつま揚げ』。ボクが知っているさつま揚げの色と全く違うなぁ、と思っていたら・・・、

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 なんと、自分で揚げて完成させるスタイルなのだ。

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 見事なきつね色になった揚げたて『さつま揚げ』は、美味いとしかいいようのない逸品だったよ。これまた、ビールがすすむのだ。

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 『造り』は、種子島、屋久島の近海産の地魚を盛り合わせてあったよ。富山湾の造りでは味わえない魚ばかりで、おもしろいと思いながらいただいたんだ。何といっても、海老がまったく違う〜。

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 この日のメニューはこんな感じ。

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 小鍋は『特製トッピー出汁鍋』。鹿児島界隈では、トビウオのことをトッピーと呼んでいるんだって。この鍋も、トビウオの出汁=あごだしの鍋、ってことだよね。かに足もよかったけど、つみれが何とも絶品だったのだ。

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 『豚角煮』は『さつま六白黒豚』を使用。鹿児島県は、豚の生産量日本一だからね。そして、ブランド豚も何種もあって、その美味しさは保証付き。

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 ゴマをまぶした『利久鰤』の澄まし汁がなんとも上品だったよ。ご飯には、小皿の具をのせて、丼みたいにしていただくのだ。

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 〆のデザートは『白玉あんみつ』。最後までしっかり和で攻めてくるのが素晴らしい晩ご飯だったよ。

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 かつては、大広間だっただろうスペースを細かく個室に区切って、ポストコロナ時代にふさわしく作り変えてあったんだ。

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 そして、こちらが朝ごはん。夕べあんなに食べたのに、こんな風に並んでいると、全部食べてしまえるから不思議。

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 朝ごはんで一番心を動かされたのが『さつま汁』。鶏肉、ごぼう、こんにゃく、にんじん、大根を入れ込んだ具沢山のみそ汁だよ。小鍋におかわり2杯分ほど入っていたけど、全部いただいてしまったほどの、素晴らしきみそ汁だったんだ。

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 小鉢の、ほぐしたツナとかゴマを散らしたおひたしとか、そりゃもうご飯にあうあう。

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 さばの醤油漬けも、いい焼き加減。朝から満足して、とっても贅沢な気分になれたのだ。

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 この「吟松」というお宿、廊下のそこかしこにこんな見事な器がさりげなく飾ってあったりして、時を過ごすだけで、豊かな気持ちになれるんだよね。

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 チェックイン後には、ウエルカムドリンクも出してくれるよ。冷たい緑茶と品の良い和菓子を、錦江湾の見える席でいただくのだ。

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 「吟松」は、鹿児島の食を心ゆくまで味わうことができる宿だったんだ。いやはや、全くもって素晴らしい。